2009年08月31日

【書評】「キャリアショック」高橋俊介(東洋経済新報社)

以前にも書いたが、図書館で借りて読んだ本について紹介したい。



1.本書の構成
  序章  キャリアショックはある日突然やってくる
  第1章 成功のキャリアか 幸せのキャリアか
  第2章 キャリアを切り開く人の行動パターン
  第3章 キャリアを切り開く人の発想パターン
  第4章 人生支配の大証だった雇用保障
  第5章 知的資本経営のできない会社は生き残れない
  第6章 明日から取るべき5つのアクション

2.感想

本書のタイトルに使用されているキャリアショックとは、筆者いわく、「自分が描いてきたキャリアの将来像が、予期しない環境変化や状況変化により、短期間のうちに崩壊してしまうことをいう。すなわち、規制緩和・デジタル化・グローバル化などの劇的な環境変化の中で求められるコンピタンシーや人材像が大きく変化し、それまで価値があると思われた自分のキャリアが何の価値もないものになってしまう可能性があること」をいう。そこで筆者はこう主張する。「今後、日本のビジネスパーソンのキャリアをめぐる状況が大きく変化していく中で今務めている会社の経営方針や人材育成方針のみに盲従することはキャリアショックのリスクが増加する。そこで、今求められているのは、予想外のどのようなキャリアショックに対しても柔軟に対応できる能力を、会社主導ではなく。自分主導で身に着けていくことである。

つまり、自らのキャリア(スキル・専門性)構築を会社に全て任せた場合、遠い将来にそれにが陳腐化し、自らの職業人としての価値が大きく低下する可能性があるということだ。これに対して、筆者はこれを回避するためには、以下の5つの措置を講じる必要があるとされている。
1.「自分の値段」ではなく「自分の動機」を知る
2.自分の差別性や希少性を高めるために、世の中の動向を読み、賭けるべき流れを選ぶ必要がある。具体的には、世の中の流れで一つや二つ自分を賭けてみたいことに関して、徹底的かつ集中的に情報を集める。そしてキャリアをその方向に進める、さらには振っていく。
3.自分のビジョン(自分のキャリアにおいて目指すべき姿)とバリュー(それを実現していくために自分が重要視する基本的な行動規範、価値観)を掲げる。
4.価値あるWHATを構築するコンピタンシーの強化する。ジョブデザイン・キャリアデザイン・ライフデザインはすべてリンクしており、そこに共通しているのはWHAT構築能力であり、そのコンピタンシーを強化していかなければならない。 
5.キャリア機会の選択肢を広げていくためには、精神的な柔軟性を高めて、心の中の製薬条件を取り除き、キャリアリスクを少しでも減らしていかなければならない。

筆者は著名なコンサルティング会社であるマッキンゼーに在職していたこともあり、なかなか鋭い主張である。私は自分のやりたいことにマッチングした仕事(=企業法務)に従事するため、自発的に転職を行ってきた経歴もあるため、筆者の主張には深く共感するところだ。興味を持たれた方は、一読して損はないと思う。自分の従事している仕事を意識しつつ読み進めてみてほしい。

最後に本書の中で私が最も感銘を受けた一文を引用したい。非常に名文のため、私は手帳にメモをとったぐらいだ。

キャリア切り開き型の人たちの発想は、差別性や希少性に重きを置き、異質経験を活かし、今後の動向を読んでそれに自分を賭け、自分の好きなようにできる環境を求め、自分はこうありたいという明確な自己意識を持ち、ときには直感で判断し、そして職業倫理を大切にする。



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2009年08月29日

【プライベート】新しいノートパソコンを購入/Lenovo G550 295826J

1.ノートPCの購入
このブログはアスースのEee PCを使用して書いているのだが、画面サイズが10型とやや狭いのが不満であった。そこで、価格com.でもう少し大きめのノートPCがないかと探していたところ、性能的にも値段的にもちょうどいいのがあったので、即決で購入することにした。そのPCとは、Lenovo G550 295826Jである。レノボは中国企業だが、IBMのパソコン部門について事業譲渡を受け、同社の看板商品であるThinkPadシリーズを現在でも製造している。

2.PC本体のハード製造実態
このアスースやレノボ、さらにエイサーは低価格PCを売りにして日本でもシェアを伸ばしている企業だが、このような商品が市場に多く流入し、国内市場が大いに流動的になっているのは確かな事実だ。私が思うに、今までのPC(特に国内メーカーもの)の価格が高すぎなかっただろうか。私が最初に買ったPCを買ったのは10年位前でNECのLavieというノート型だったが、確か当時は30万ぐらいしたと思う。このように外資系と国内系のPCの値段が大きく相違するのはひとえにインストールされているソフトウェアの量につきると思う。国内型は使いもしないソフトウェアが対象にインストールされているが、外資系は基本OSなど必要最小限にとどめられており、この事実からもPCはハードだけならば決して高くない商品であるということがよくわかる。高性能なPCが安く購入できることは大いに歓迎したところだ。

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2009年08月28日

【スキル・仕事術】営業担当者との打ち合わせに当事者関係説明図を使用する。

1.当事者関係説明図の使用
 先日、営業担当者と自社を含む三者間の「研究成果実施契約書」に関する打ち合わせを行ったのだが、私はその際に当事者関係を説明した図面を使用した。この場合の図面とは、A4の用紙に当事者関係を表した上、当事者間のモノやカネの流れを矢印で指し示したあらわした簡単なものであるが、これを打ち合わせ時にテーブルの中央に置いた上で、これを示しながら打ち合わせを行うという手法を使ったのである。その結果、出席者全員が自然と私が書いた図面を指し示しながら発言を行うようになり、聞いている私も取引内容を十分に把握することができたというメリットがあった。

2.企業法務担当者には打ち合わせは不可欠
 企業法務担当者が契約審査や法律相談を的確に行うには、営業担当者との打ち合わせは避けて通れないものである。逆に言えば、企業法務担当者は打ち合わせを行う以外に取引実態を正確に把握する機会はないといえよう。従って、私は打ち合わせに際しては、常に真剣勝負で臨んでいるのだが、上記の経験を生かして、当事者関係図を書いた上で打ち合わせを行うようにしている。非常に単純な手法ではあるが、それだけに効果があると思う。興味を持たれた方はこのような方法をとってみてはどうだろうか。

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2009年08月25日

【契約審査】個人情報漏洩時の損害賠償額

先日、某社との取引基本契約書を審査していたが、その中に個人情報の取り扱いに関する条項があった。それによると、「自社が相手方から預託された個人情報を漏洩した場合、1件あたり100万円を違約金として払わなければならない。」と規定されていた。

この「1件漏洩=100万円の支払い」という根拠は全く明らかにされておらず、そのような判例はないことだけは断言できる。私が覚えているのは宇治市やTBCの個人情報漏洩による判決である。それによると、前者の場合は、15,000円、後者の場合には35,000円という賠償金額の支払命令が下されている。この100万円という金額はある意味、かなりふっかけているものだと思う。

そこで、私は「自社が相手方から預託された個人情報を漏洩した場合、甲乙協議により定めた金額を違約金として払わなければならない。」として代替案として提起し、合わせて「2007年2月8日に東京地方裁判所から下された判決にありますとおり、裁判所は個人情報の漏洩に対して一人あたり35,000円という金額が妥当であるという認定を行っております。」という注意書きを補足した。

これは裁判所の権威を利用するという方法だが、効果的な交渉術ではないだろうか。


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2009年08月21日

【与信管理】与信管理業務/取引先の経営分析業務とは?

私は、社内では法務担当という位置づけで通っているが、所属部門はリスクマネジメント(与信管理)部門であるため、企業法務のみの仕事をしているわけではない。例えば、上司の方針により今年の春から与信管理業務の一環として取引先の経営分析業務を開始している。

1.経営分析業務とは?
経営分析とは、文字どおり、取引先の信用調査情報、財務情報などから取引先の経営状態を客観的に分析することをいう。というのも、自社は商社である立場上、商品を取引先に販売するのだが、全く無制限に販売するのではなく、与信リスクマネジメントとして取引先をランク付した上、販売限度枠を設けた上で厳密に取引を行っている。そうしなければ、いざというとき、取引先が倒産すると、自社に焦げ付き(いわゆる不良債権)が発生することになり、多額の損失が生ずることになるからだ。なお、経営分析は取引開始時点だけ行うのではなく、その後も一定時期ごとに行うことによって販売限度枠を増減する。そして、場合によっては、担保等を徴求することによって、自社の債権回収措置を講じなければならない。与信管理とは、まさしく与信リスクをヘッジしていく業務なのである。

2.私にとって新しいキャリア
私にとっても法務ばかりの経験を積むのではなく、このような新しい分野の経験を積み重ねることにより、横にキャリアを広げることができるのはありがたいことである。取引先の経営分析業務を行うためには、決算書を読解した上でその会社の収益性・安全性・将来性という観点から自社の取引額などを設定しなければならない。そのためには会計・簿記知識は必須のため、入社後コツコツと勉強して日商簿記3級ビジネス会計検定3級までは取得した。ハッキリ言って典型的な文系の私には数字と格闘することはかなり苦手だったのだが、慣れればなんとかなるものである。まだまだ、なんとなくであるが、決算書を読むときのポイントなどがおぼろげにわかりつつある。決算書の審査は、契約審査とはまた違った面白みがあるように思える。

3.法務と審査  〜企業法務と与信管理のキャリア両立〜
私のように、法務と審査のキャリアを形成していくタイプというのは、なかなか珍しい方だと思う。メーカーでは絶対にありえないだろう。これは、商社でしかありえないキャリア像ではないだろうか。しかし、私にとっても自分のキャリアを広げていく良い機会なので、積極的にノウハウを学んでいくことにより、法務担当者としてだけではなく審査担当者としても成長していきたいと考えている。

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2009年08月20日

【企業法務】法務担当者に求められる能力

1.文書作成能力は法務パーソンの必須スキル
私がときどき拝見している法務ブログに臥竜窟さんの「現代の臥竜窟」があるが、8月3日付の記事を読んで、全くそのとおり!と感じたものだ。

臥竜窟さん曰く、
1.法務部門は、企業経営の言語化を行う部門でもある。従って、法務担当者は、文書作成能力にも長けていなければならない。
2.当該文書は、作成時点の企業活動の証拠となりうるほどの明確かつ論理的なものでなければならなす、一定水準の高品質であることが要求される。

「法務部門は、企業経営の言語化を行う部門でもある。」とは、なるほど確かにそのとおりだ。法務担当者の仕事といえば、契約書作成なのだが、これを的確に行うためには、事実把握能力・論理的思考力・資料分析能力とともに一定水準の言語化能力が必要となる。私も学生時代から国語は結構得意だったが、法務担当者になってからは、文章力に関する本を積極的に読破してノウハウの習得にいそしんでいる。

2.営業マンの代書屋さん状態?
私も臥竜窟さんのように、営業担当者から契約書ではない文書の作成を受けることが多い。取引先へのクレーム対応文書、陳謝状、挨拶状、はたまた取引先への忘年会や接待ゴルフのお知らせまで作成している(笑)。しかし、私にしてみれば、文書作成のよい訓練にもなるため、全て引き受けるようにしている。また、私にとってもう一つのメリットは、社内に私自身の名前を宣伝することができることだ。転職者である私は社内人脈を広げることが必要なのだ。「コイツは使える」と思ってもらえれば儲けモンである。おかげで社内には「Sabosanは文章を作るのがうまい」という風評があるようで、非常にありがたく思っている。

私も職業柄、文書作成能力には、そこそこ自信はあるため、これによって会社に多少なりとも貢献したいと思っている。

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2009年08月19日

【プライベート】先日、図書館で借りた本のご紹介

以前にも述べたが、私は仕事のノウハウ・スキルは本からコツコツと盗んで蓄積していくタイプである。そこで、定期的に図書館に行って様々なビジネス書・専門書を借りてくるようにしている。これらの本を普通に購入すると、その出費もばかにならない。それを無料で読むことができるというのは、本当にありがたい。ただでさえ、高い市民税/住民税を取られているので、こういう形でモトを取ることを読者の皆さんにもお勧めしたい。なお、借りてきた本で内容的にいいものは、私のノートパソコン内に知的資産として記録・蓄積するようにしている。

ちなみに借りてきた本の内訳は以下のとおりだ。















このうち、何冊かについては、後日書評を紹介することとしたい。

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ラベル:図書館 知的資産
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