2009年08月12日

【書評】「取引基本契約書の有利な交わし方」河井正二(かんき出版)



1.本書の構成
第1部 取引基本契約書に必要な基礎知識
 第1章 契約を交わすための基礎知識
 第2章 契約を交わす上での注意点
 第3章 契約を有利に交わすためのポイント
第2部 取引基本契約書を有利に交わすための攻略法
 第4章 買主提示の取引基本契約書の検討
 第5章 債権の保全・回収の攻略法
 第6章 補償責任の攻略法
 第7章 知的財産権など権利保護のための攻略法
 第8章 自由な営業活動を保護するための攻略法
 第9章 売主有利に改訂させる交渉テクニック

2.感想
 本書は、1年ほど前に顧問弁護士から推薦されて購入したものだが、なかなか役に立つノウハウが記されており、時々読み返して頭に叩き込んでいる。法務担当者は、読んでおいて損のない1冊だと思う。著者はデンソーの法務部出身の方で、最初は営業畑からキャリアをスタートして法務マンに転向したという異色の人物である。

 本書は、買主から提示された取引基本契約書に対する売主側の対応策という視点でいくつかの条項の修正案を解説するというスタンスをとっている。その真髄は第2部にあると言っても過言ではない。例えば、「このような条項に対しては、このような代替案を提示する。相手方および社内営業担当者に対してはこのように説明する」という流れで解説されているが、このように「代替案を提示する際に明確な根拠も合わせて明示する」というのが、同種の契約書本と違うところだ。おかげで私も「どのような根拠で条項を変更するのか」という思考パターンが身につくようになった。ちなみデンソーと契約交渉を行ったことがあるのだが、確かに同社の主張には明確な根拠が添えられていて、とても感心したものだ。

どちらかというと、本書は、初心者向けの本であり、法務マンとして基礎力を身に着けたい方にはお勧めの一冊だ。以前に紹介した「取引基本契約書の作成と審査の実務」より読みやすい印象を受ける。私も本書を職場の脇机に押し込んだままであったので、最近通勤電車で再読しているところだ。

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posted by Sabosan at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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