2010年11月15日

【法律】特許事務所を訪問/弁理士の先生に特許権の仕組みについて改めてご教授頂きました。

1.某特許事務所を訪問
自社の営業部門が他社と新技術に関して共同研究開発を行い、その成果について特許権を取得する運びとなったので、先日、私と自社営業担当者の2名で大阪市内に所在する某特許事務所を訪問し、特許権の取得方法について相談に行ってきた。

某弁理士より特許権についてご教授頂いた主な事項は以下のとおりで、その時のメモをここで公開したい。

・特許権を取得するためには、@新規性、A産業上利用性、B進歩性の3要件をクリアする必要がある。しかし、@については、学会における論文発表などにより公知となっても6ケ月以内に特許申請すれば新規性は失われない(新規性喪失の例外)
・特許申請を行っても出願日より3年以内に実体審査を求める審査請求を行う必要がある(出願審査制度)。ただし、これは出願と同時に行うこともできる。
・特許出願日より3年以内にその内容が特許庁より公開される(出願公開制度)。
・実体審査を行うと、特許庁より「拒絶理由通知」を受領する。これは先行技術との類似性を列挙した書面で、出願人はこれに対して、その相違性を明確に論証する必要がある。拒絶理由通知は、複数回送付されることもある。
・上記をクリアして当該技術に関する特許権を取得できる。なお、特許権は出願日より20年間存続し、それを維持するためには、特許維持のための手数料を特許庁に支払う必要がある。
・上記の特許出願から登録を経て存続期間満了までに要する費用は、特許事務所への報酬を加えて170〜200万円くらい。
・外国特許を取得したい場合、@パリルートによる外国出願、APCT出願の2種類がある。@は国内出願を行ってから1年以内に外国特許庁に特許出願を行うという方法で、Aは日本特許庁に対して国際出願願書を提出した上、「国内段階以降」を経て各国における特許申請を進めるという方法をいう。昔は@が主流だったが、「国際調査報告」という外国における類似先行技術文献を早い段階で入手できるメリットがあるため、Aへシフトしつつある。


2.特許事務所時代の私
先日の記事のとおり、私は大阪市内における某特許事務所において事務職として2年半ほど勤務していた。その特許事務所は人の入れ替わりがえらく激しかったものの、私が勤務していた当時は100人超の人員はいたかと思う(ついさきほど久しぶりにHPを見たら、さらに増員されていた)。これは業界ではなかなかの規模なのだが、当該特許事務所の部門としては以下のとおり分類されていた。

@技術明細部門
 クライアントであるメーカーの依頼を受けて、新技術を国内・国外において知的財産化を行うための、「明細書」という当該技術に関する説明文書を作成する部門をいう。いわば、特許事務所の稼ぎ頭。

A翻訳部門
 外国において新技術を知的財産化する際には、上記の明細書に相当する書面をその国の言語に翻訳して外国特許庁に提出する必要がある。そのために翻訳を行う部門。

B事務部門
 クラインアントとの連絡のやり取り、特許庁へ提出する書類の手配などを行う。人事・総務・経理なども兼ねている。


特許事務所の規模にもよるが、おおむね上記のような分類がなされていることが多い。私は上記Bの部門において主に外国特許出願を行うグループに配属されていた。その前は司法書士事務所で勤務しており、(法律事務所というカテゴリーでは同一であっても)全くの畑違いの分野なので転職当初はえらく苦労したものだ。ただ、転職して入所してみると、職場の雰囲気にもなじめず、また、あまり面白みのある仕事ではなく、それが仕事における態度に出ていたかもしれない。当時の仕事のスタイルは、典型的な指示待ち型であり、現在のように自己スキル向上のために、ビジネス書・専門書をむさぼるように読み、上司に対して積極的な提案を行うということは全くせず、仕事への取り組み方は消極的であった。従って、当然の事ながら、上司から評価もさほど良くなかったと思う。今思えば、当時の私はビジネスパーソンとしては失格であろう。

その後、企業法務の仕事をやりたいと思って、転職活動を行い、運良く証券会社の法務部門に転職したのは以前の記事のとおりである。そして、私自身このときには、もはや特許という分野にかかわることはあるまいと思っていたが、まさかこのような形で再び特許に携わるとは夢にも思わなかった。しかし、商社である自社に転職すると、普段における契約審査や法務相談でも知的財産絡みは結構多く、そのために知的財産権の勉強を積極的に行う必要がある(先日のセミナー出席もその一環)。

知的財産権に関する勉強については、特許事務所勤務時代は、あまりその気はなかったのに、企業法務担当者となった現在は、以前と違って積極的に取り組んでいる自分に驚かされる。やはり、「企業法務」というフィルターを通すと、どんな事でも私のモチベーションは劇的に向上するらしい。人生とは本当にわからないものである…。

3.本件の顛末
今回の特許権共同出願申請は、おそらくその特許事務所に依頼することになりそうなのだが、それ以降の自社の連絡窓口は、私が担当することになった。とすると、すべてを特許事務所に丸投げということにもいかず、ある程度の実務知識を私自身が身に着ける必要がある。

これは某弁理士から推奨されたのだが、そのために、特許庁のHPにおいて公開されている以下のテキストに目を通しておこうかと考えている(上記のとおり特許事務所時代の私ならば、まず行わなかった事だ)。本書は、実務担当者向けテキストとなっており、企業の知的財産部門や特許事務所でもバイブルとして扱われているらしい。私には少々荷が重たいが、一読はしておこうかと考えている。

http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/ibento/text/h21_jitsumusya_txt.htm


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ラベル:特許権
posted by Sabosan at 05:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 企業法務 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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