2011年12月22日

【契約書】自社定型契約書に対する取引先の様々な対応について/相手方の要求をきちんと記録に残しておき将来の改訂に役立てる

基本的には自社における定型契約書の制定に関しては、企業法務担当者である私がその全てに関与している。従って、全国の営業担当者より定型契約書に関する問い合わせを受けた場合、それに対応するのも私である。例えば、「取引先よりこの条項をこのように変更してくれという要望を受けました」「あの条項は削除してもらえませんか」「その条項の意図を詳しく教えてほしい」というリクエストが日々私のところに寄せられてくるのだ。これらに対して正確かつ迅速に対応することも大事な仕事である。

最も多いケースがやはり契約条項の変更要求だ。この場合、契約書のオリジナルデータを変更したり、付属覚書を作成することによって対応している(ただし、後者の方が圧倒的に多い)。これらの変更要求に関しては、大部分が想定の範囲内であり、即座に諾否回答を提示できるのだが、中には「なるほど、そう来たか!この法務担当者はできるな…」と感じる提案を行ってくる会社がしばしばあるのも確か。

ただ、大事なのは、これらの取引先の要求とそのコメント、そして自社の対応結果をきちんと記録に残しておくことだと思う。そうしておけば、今後似たような要求があった場合でも即座に対応できるし、将来の契約書改訂に役立てることができるためだ。私の場合、エクセルに定型契約書ごとにタブを作成した上、上記の記録を残すようにしている。

自社の定型契約書は、私が苦労して世に生み出した「自分の作品」と言ってもいい存在である。それらが、何千枚、何万枚と印刷されて、営業担当者を通して全国のいろいろな会社に提示されて、社内の関係者によって読みこまれ、そして、また自社に対する条件変更要求という形で私の手元に帰ってくるというのは、なんとも感慨深いものがある。喩えるならば、川に放流した稚魚がいつの間にか成長して自分の手元に戻ってきたかのよう…。

いずれにせよ、契約書1通を取り交わす場合であっても、ここに至るまで当事者双方において相応のコストを費やしている。従って、条件違いのもの別れに終わるのではなく、両者がある程度満足できる形で契約締結までもっていきたいところだ。そのあたりが企業法務担当者の技量が大きく問われるところなのだろう。


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posted by Sabosan at 04:58 | Comment(3) | TrackBack(0) | 契約書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
東京で、とあるメーカーの審査マンやってます。
一応、私も行政書士の資格持ちです。
(一発合格とは言え、隣接職の登竜門なので、司法書士とは月とすっぽんの資格ですが…)
仕事中に、調べ物をしていたらたどり着き、休日にお礼がてら、コメントを汚させていただいた次第です。

いろいろ記事を拝見させて頂きましたが、メーカーにも審査部門はあります。決して商社にのみクローズアップされる担当職でもないです。
やはり業種問わず、焦げ付きは関心事なので。
うちは、審査部門が独立していますが、法務と経理のノウハウが要るので、同職務の異業種交流会に行くと、なかなか審査で独立した部署はなく、上記のいずれかに属するパターンが多いですね。
私も、法律の部分は好きだし、得意なんですが、帳簿の方はあまり得意ではないので、結構苦労します(笑)
Sabosanさんとは逆に、法務にクチバシつっこむ、取引先の審査担当者といった趣です。

隣接職資格者としてのやりがいは、相手方提示の書式を添削して、法務に持ち込み、添削ポイントが的を射ていると評される時です。
まぁ営業マンが、契約書なんて結びゃいいんだろとか、そんなもんなくても売れるものは売れるていう感じなのが、悩みの種なんですが。。。

また遊びにきますので、よろしくお願いいたします。
末筆ながら、ゆくゆくは司法書士なんて妄想しがてら、勉強してます。
私の目からは、司法書士の法務担当なんてかっこ良すぎます!

Posted by 審査部の代書屋さん at 2012年02月11日 12:58
審査部の代書屋さん様


長文のコメントありがとうございました。ただ、1点申し上げておきますが、私は司法書士事務所の勤務経験はあるのですが、司法書士の資格は持っておりません…。長年勉強はしていたのですが、なかなか合格せず、紆余曲折を経て、企業にて法務コンプラ担当として働いているのです。ただ、今となっては良かったと思います。なまじ合格すると、たぶん司法書士事務所に勤務し続けて企業法務の世界に足を踏み入れることは決してなかったでしょう。これも人生の妙かなと考えております。

さて、私も法務の仕事にやりがいを感じるのは、貴職と同じです。取引実体にきちんとマッチングした上、適切にリスク対応がなされた契約書の締結まで持ち込みますと、達成感を感じます。やはり、契約書といえば法務、法務といえば契約書でしょう。しかし、単なる契約書の文書屋で終わるのではなく、それを軸として会社全体のリスク管理体制の構築にまで目を光らせてこそ、「真のプロ」といえるような気が致します。私にとってまだまだ道は長いですが…。

1週間に1〜2回の更新を心がけておりますので、今後とも本ブログにお立ち寄りください。今後ともよろしくお願いします。


Sabosan
Posted by Sabosan at 2012年02月12日 07:58
レスありがとうございます。
長文で失礼いたしました(汗)
いや、正直長いなとは思いましたが。

リスクヘッジに関わっていると、
リスクに対する最後の防波堤なだけあって、
なかなか現実感がない仕事だと思ってしまいます。
潜在的なリスク相手の仕事ですんで。
杞憂に終わるのが当然というか、終わらないといけないんですが。

それでも下請法や独禁法がうるさい昨今、
結構、リーガルリスクが顕在化してきているのも事実ですが。
(審査担当者としての実感です)

末筆ですが、
こちらこそよろしくお願いいたします。
Posted by 審査部の代書屋さん at 2012年02月12日 20:25
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