2017年07月04日

【資格】士業の独立開業の難しさ/仕事でお付き合いのある司法書士さんから聞いた話です

つい先日のことだが、仕事の関係で司法書士事務所に勤務司法書士として働くAさん(30代)と知り合う機会があり、打ち合わせの合間にいろいろ世間話を行った。そのうち、司法書士業界の話題になって、私から「Aさんもいずれ独立開業を考えておられるのですか」と話を振ってみたところ、Aさんは以下のとおり答えてくれた。

・自分は独立開業を目指して司法書士試験にチャレンジし、何度かの受験を経て数年前に合格したばかり。
・合格後は大阪司法書士会が紹介してくれた司法書士事務所で働きながら、将来の独立開業を目指して異業種交流会などにも顔を出していたが、有益な人脈の形成はそうそう簡単ではない。
・不動産業界も人口減少のあおりを受けており、先行きはいくぶん不透明。例えば、既存の司法書士事務所同士で安値受注のような形で仕事の奪い合いとなっている。また、顧客からリベート(バックマージン)を要求されるケースもあり、利益率は決して良いわけではない。
・大口の顧客を抱えているならば、なんとか「守りの経営」で細々とやっていけるかもしれないが、私のような資格をとったばかりの若手の場合、全くのゼロから独立できるだけの顧客を獲得するのは本当に難しい。
・バブルのように不動産がよく動いた時代では、仕事がいくらでもあったと聞く。例えば、親方が若手の独立をサポートするために「のれん分け」を行うというケースがあったが、今の時代では皆無に近いだろう。
・このような「実態」がネットで徐々に明るみになってきたためか、司法書士試験の受験者数は年々減少傾向にある。
・自分も独立は半ばあきらめており、勤務司法書士として一生やっていくつもり。

そういえば、本ブログでは、かなり以前に地元の行政書士事務所が開業後に半年ほどで倒産したことは触れたかと思う。その店舗は、その後は美容室になっていたが、今は廃業している様子・・・。

企業法務担当者のビジネスキャリア術: 【資格】士業の独立開業に関する一考察/独立開業に際してクリアすべき課題とは 

Aさんの話にあるとおり、今の時代では「資格を取ったから一生安泰」というわけではない。独立開業には、本人の実力や人脈だけではなく、その時の経済状況や運にも多分に左右される面が多い。サラリーマンの場合、毎月の給料日には自分の銀行口座に給料が振り込まれるが、独立した場合、売上がなければ給料はゼロという厳しい世界だ。結局のところ、こんなところにも日本の人口減少問題が影響を及ぼしているわけで、なかなか考えさせられるひとときだった。

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2014年10月15日

司法書士が主人公という珍しい漫画を発見/「カバチ」でもなく「がんぼ」でもなく「びったれ」

1.「半沢直樹」のような司法書士?
先日とあるニュースサイトで以下の記事を発見。

田中圭、初の一人三役に挑戦!「カバチタレ!」作者の原作ドラマで - シネマトゥデイ


司法書士が主人公という漫画「奮闘!びったれ」(原作者はカバチタレ!の田嶋隆氏)が来年1月にドラマ化されるらしい。しかも、主人公伊武努を演じるのは「ノーコンキッド」で主演をしていた田中圭との事。

企業法務担当者のビジネスキャリア術: 【動画・映画】ドラマ「ノーコン・キッド 〜ぼくらのゲーム史〜」の世界観が懐かし過ぎる/私も子供の頃はゲームに熱中していた時期がありました

法律家が主人公の漫画といえば、行政書士の「カバチタレ!」があまりにも有名だが、主人公が司法書士というのはかなり珍しい・・・。20代前半に司法書士事務所で働いていた経験がある私としては、原作に俄然興味をもったので、早速単行本二冊(電子書籍版)を読んでみた。

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本作のストーリーを簡単に説明すると、元ヤクザの司法書士(しかも亡き姉の娘を育てるシングルファーザー)が依頼者が抱える様々な事件を知恵と度胸で解決するというもの。「カバチタレ!」では主人公があくまで法律をメインの武器にして戦うのに対して、本作では法律では効き目がない相手に対して、元ヤクザの経験と人脈を生かして、脅迫すれすれの恫喝を行って、見事に相手を改心(?)させるというもの。クライマックスになると、主人公は眼鏡をとり(目つきも悪くなる)、髪型をオールバックにして、猛烈に相手を論破する。このシーンは読者にとって溜飲が下がる場面で、なんとなく昨年の大ヒットドラマ「半沢直樹」を連想させる。

企業法務担当者のビジネスキャリア術: 【書評】「オレたちバブル入行組」池井戸潤(文藝春秋)/あの大ヒットドラマ「半沢直樹」の原作小説を再読しました

本作を読む前は、てっきり法務局や市役所を舞台とした司法書士の平穏な日常風景を地味に描いているかな、と勝手に思っていたのだが、さにあらず。いい意味で予想が裏切られたわけだが、まあ、司法書士の日常をそのまま漫画化してもあまり読者にウケないだろうし、これは致し方ないと思う。司法書士が主人公を演じる漫画というだけで、非常にレアなのは間違いなく、そのうち日本司法書士連合会に認定されたりして・・・。

2.司法書士事務所におけるドラマ
せっかくなので、「私自身が司法書士事務所でどのようなドラマに遭遇したか」について触れてみたい。例えば、司法書士にとって通常業務の不動産登記の場合、ハウスメーカーや銀行で権利書・印鑑証明書・委任状を受け取ってから、パソコンで登記申請書を作って、法務局に持参して登記申請する(当時は郵送申請が認められていなかった)。そのため、近畿一円の法務局や市役所を訪れたことがあるのは以前にも触れたとおりだが、それほど大きなイベントに遭遇した記憶はない。

企業法務担当者のビジネスキャリア術: 【その他】司法書士事務所で働くと在来電車の乗り継ぎや地理に非常に詳しくなる/意外な場面で意外な知識が役にたつものです

ただし、以下のようなささやかな人生ドラマに遭遇したことはある。

<ケース1 亡くなった母親に再婚歴と腹違いの兄弟が発覚〉
ある土地の所有者(女性)が死亡して相続登記をしたときの事。その女性には二人の子供がいたが、出生(正確には子供が生める年齢)までの戸籍謄本を入手したところ、この女性には再婚歴があり、前夫と子供がいた事実が判明した。つまり、依頼者にとって、相続権を有する腹違いの兄弟がいたというわけで、当人達は、母親の再婚歴や腹違いの兄弟の存在に絶句していた。(一応、その相続問題は紆余曲折を経て無事に解決したと聞く)

<ケース2 司法書士がひったくりにあって権利書を紛失>
これは以前にも紹介したことがあるが、同僚の女性司法書士が所有権保存登記完了後に法務局で権利書を回収してから、最寄り駅に向かう途中で、スクーターに乗った犯人に鞄ごと権利書をひったくられたという事件があった。

企業法務担当者のビジネスキャリア術: 【社会・経済】地元で窃盗事件が発生するという物騒な師走に/元従業員に会社荒らしにあった経営者やひったくりで権利書を盗まれた司法書士のお話

その女性は泣きながら帰ってくるし、事務所は警察に被害届を提出したが、結局、犯人と権利書は行方不明のまま。そこで、所有者には謝罪の上、所有権抹消と保証書による権利書の再発行という「裏技」を使ってその場をしのいだ。この事件は、書類管理の重要性をひしひしと感じさせられた事件である。司法書士にとって最も重要なことは、依頼者から受け取った権利書・住民票・印鑑証明書・委任状(つまり個人情報のかたまり)を紛失することなく、法務局に提出し、登記完了後はもれなく依頼者に返却することだ。従って、たとえ電車の中でも居眠りなどできないし、気が張り詰めたものである。

<ケース3 1回の受験で司法書士試験に合格したが、半年で業界から足を洗ったMさん>
当時私が勤務していた事務所にMさんという人が入所してきた。Mさんは、放射線技師をしながら、司法書士試験に1回で合格した優秀な人物であり、仕事ぶりも真面目であった。しかし、待遇が満足できなかったか、わずか半年ほどで退職してしまう(当時Mさんは子供が生まれたばかりで、奥さんと将来性を話し合った上の事らしい)。現在も日本司法書士連合会のHPの会員検索で名前を探しても見つからないので、Mさんはこの業界からは完全に足を洗って、元の業界に戻ったようだ。

このように、司法書士試験に何年もトライして、それでも合格できない人が多数存在する一方、たった1回の受験で見事に合格するが、アッサリとこの業界から足を洗う人もいる・・・。これも人生のドラマではないだろうか。

企業法務担当者のビジネスキャリア術: 【資格】食えない士業のリアルとは/今の時代、資格を取得すれば人生安泰というわけではありません

3.まとめ
このように、それなりの事件に遭遇したことがあるが、「びったれ」ではどのようなドラマが繰り広げられるのだろうか。来年にドラマ放送が開始したら、本ブログで改めて取り上げてみたい。

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2014年07月06日

【資格】夢は9割叶わない?/人生の目標として「夢」は確かに必要だが、いつかは見極めることが必要かも・・・。

1.「夢は9割叶わない」
5月頃にダイヤモンド社のHPにおいてなかなか興味深いコラムが短期集中連載されており、私も読んでいた。

夢は9割叶わない。|ダイヤモンド社

執筆者は、「課長島耕作」「黄昏流星群」などで有名な弘兼憲史氏だが、どうやらダイヤモンド社から発売される同一書名の新刊ビジネス書のPRも兼ねているようだ。このコラムの1回目のタイトルは「夢は9割叶わない。」となかなかシビアなものとなっている。その内容を要約すると、以下のとおり。

“夢は9割叶わない。残念ながら、これが現実”「1割のチャンス」をもぎとる方法とは?|夢は9割叶わない。|ダイヤモンド・オンライン

・ほとんどの人は、小さい頃に「自分はこうなりたい」と自分なりの夢を思い描くもの。しかし、それがかなうのは極めて少数で、ほとんどの人にとって、夢は夢で終わる。
・著者の知り合いに東京芸術大学の油絵科へに入学するべく、何回不合格となっても受け続けている30歳の人物がいるが、現在の消息は不明。
・大事なのは、自分の夢を人生の各ステージに応じて都度修正しつつ、実現可能な目標に切り替えていくこと。初志貫徹にこだわるのではなく、むしろ朝令暮改ぐらいで丁度いい。
・夢をもつのは大変素晴らしいことだが、夢には期限を設けるべき。期限を設けないまま、ずるずると夢に取り組むと、人生を棒にふることになりかねない。
・夢の実現のための期限を設定したら、そこまでは迷うことなく、必死でがんばる。しかし、期限までに夢を達成できなかったのなら、潔く諦める。そんな戦略と見極めが、人生には必要である。

「なるほど、うまいこと言うなあ」と思う。これがもし、20歳代の私ならば、反発をおぼえたかもしれない。しかし、社会人経験もそれなりに豊富で、かつ世間的に良い年齢で、今や結婚して妻と子供がいる現在の私にとっては、「なるほど同感」の一言。なぜなら、私自身も過去に「夢」に区切りをつけたことがあったからだ。

2.過去の自分を振り返って
本ブログでこれまで何回か触れているが、私は、20歳代の頃に某法律系難関資格試験に働きながらチャレンジしていた事があった。しかし、何年一生懸命勉強して受験に挑戦しても合格せず、さらにはその業界の中身が段々とわかってきたので、いつしかやる気を失って、その試験から「撤退」した経歴がある。そして、その後の紆余曲折を経て、現在は、企業法務系ビジネスパーソンとして、キャリアを積み重ねている日々を送っている。つまり、弘兼氏の主張どおり自分の夢を諦めて別の道に転進したのだが、あれから長年の月日が流れて現在の我が身を振り返ってみると、「あのときの自分の判断は正しかったのかもしれない」と思うことがある。というのも、企業法務担当者は、受験生時代に習得した法律知識をベースとして仕事をすることができ、その成果によって、クライアントから感謝されることも多く、自分の存在意義というか、天職感を感じることがあるからだ。

企業法務担当者のビジネスキャリア術: 【格言】社内クライアントから頂く感謝のメールをEVERNOTEに保管しておく/モチベーションアップに役立ちますよ
企業法務担当者のビジネスキャリア術: 【企業法務】企業法務という仕事の楽しさとやりがいとは?/2013年最後の記事です

また、企業において様々な人との新しい出会いや未知の仕事に取り組む機会もあり、自分がビジネスパーソンとして、より良く成長する機会にも恵まれている。むしろ、受験生時代にどん底を味わった挫折感や忍耐強さが結果として自分の人格に深みを与えることとなり、人生観の形成に良い意味での影響を及ぼしてくれたような気がする。そして、それは企業法務担当者に求められる社内外との人間関係構築能力にもおおいにプラスになったと感じている。

企業法務担当者のビジネスキャリア術: 【企業法務】他部門との「風通しの良さ」が法務部門にとって大切かと/企業法務担当者と人間関係構築能力

今でも、弘兼氏の知人が東京芸大にチャレンジし続けたように、もし、あのまま受験勉強を継続していたら、どうしていただろうか。もちろん合格していたかもしれないし、そうでないかもしれない。

この弘兼氏の「夢に期限を設けよ。それまで精一杯頑張っても夢が実現できない場合は、縁がなかったとあきらめて別の道に転進せよ」という考えは、なにも私の場合に限らず、新司法試験・司法書士試験・公認会計士試験などの資格試験の受験生にもあてはまるような気がする。ご存知のとおり、これらの試験は難関国家資格であり、残念ではあるが、長年勉強しても合格できない人は必ず存在する。「その状況」に陥った時点で、本人がどのような決断を下すかが、今後の人生を大きく左右することになろう。

「夢」を持つことは大変素晴らしいことだ。なにより私たちは子供の頃からそのように教育を受けていた。しかし、さすがに世の中の全員が自らの夢を実現できるほど世間というものはそう甘くはない。これは年齢を重ねるにつれておのずと実感させられる。

そういえば、この記事を書く過程でインターネットで調べものをしていたら、以下のようなブログを発見した。これを読むと、世間の厳しさというか、無常観というべきものを感じざるを得ない。しかし、これもまた人生の真実(リアル)なのだろう・・・。

司法試験に受からないということ|司法試験情報局(LAW-WAVE)


3.まとめ
また、本コラムの別の回では、以下のような格言が紹介されている。

◆仕事を選ぶ新人は、絶対成功しない”
◆「会社に入ったら3年は辞めないほうがいい」、
◆世界の9割は、理不尽でできている”

もし、これが学生ならばあまりピンと来ないかもしれないが、一定期間の社会人経験がある人ならば、納得できるのではないだろうか。思うに、こういった人生訓を中学や高校ですすんで紹介するべきではないだろうか。受験勉強の知識よりこのような人生訓がこれから社会に出る若者によほど有益だと思うのだが・・・。

夢は9割叶わない。夢は9割叶わない。
弘兼 憲史

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2014年03月23日

【資格】「資格を取ると貧乏になります」佐藤留美(新潮社)/今や資格を取っただけでは簡単には食べていけない世の中に…。

先日ニュースサイトをチェックしていると、とある新書を紹介した以下の記事を発見した。なかなかインパクトのあるタイトルに興味を持った私は、早速仕事帰りに本書を購入して一気読みしたのだが、その感想について触れてみたい。

資格を取ると貧乏になる?驚愕の資格地獄 | オリジナル | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト



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1.目次
第1章 イソ弁にさえなれない―――――――弁護士残酷物語
第2章 「待機合格者」という生殺し―――――――公認会計士の水ぶくれ
第3章 爺ちゃんの茶坊主になれ!―――――――税理士の生き残り作戦
第4章 社会保険労務士は2度学校へ行く
第5章 TOEICの点数が上がると英会話が下手になる
第6章 それでも資格を取りたいあなたのために

2.感想
「真実の姿を描き過ぎているので、資格受験予備校関係者がさぞかし苦虫をつぶしているだろうなあ」というのが本書を読んだ私の感想である。というのも、それほど本書では資格のネガティブな現状と真実の姿が描かれているからだ。

本書は6章で構成されているが、第1章が全体の4割ほどと大部分を占めている。その第1章を要約すると以下のとおりである。

•2011年の国税庁の調査によると、弁護士の5人に1人は、生活保護受給者並みの所得(100万以下)となっている。
•その理由は、法科大学院制度によって大量の若手弁護士が流入し、市場が飽和したためである。設立当初の予想に反して弁護士のニーズはそれほど伸びず、弁護士の業界では「富める者」と「貧しい者」への二極化が進行することになった。
•このような新司法試験制度の失敗が徐々に判明した結果、法科大学院の入学者も激減し、廃校する大学院が続出している。
・法科大学院出身の若手弁護士で、法律事務所や企業の法務部門に就職できない者は、ノキ弁、タク弁などでなんとか糊口をしのいでいる。

以下では他の資格にも言及されているが、資格についてのネガティブな現状が紹介されている。そうなってしまった経緯としては、

・将来の需要を過大に見積もって合格者を増加したが、思ったほど市場のニーズが伸びず、有資格者が過剰気味となった。
・これまで士業では価格が固定化されていたが、自由価格競争の導入によって、単価が徐々に低下し、ディスカウント競争が発生している。
・士業は、比較的閉鎖的な社会で彼らの仕事の実態やノウハウなどが世間に開示されることはなかったが、インターネットの発達等によって、それらが明るみになり、ユーザは簡単な案件ならば自分で処理するようになった。
などが挙げられる。

確かに、10〜20年ほど前は、「資格を取れば一生安泰」という漠然とした風潮があり、資格予備校もそれを煽っていたフシがある。しかし、本書のように「資格をとることは一生を棒にふりかねない」と称されるまでに状況は激変した。



実際のところ、3年ほど前に私の地元の町にも行政書士事務所が開設されたが、半年ほどで廃業してしまったことについては、以前にも触れたとおり。

企業法務担当者のビジネスキャリア術: 【資格】士業の独立開業に関する一考察/独立開業に際してクリアすべき課題とは

今や資格を取っても安泰ではなく、それをどのように使いこなすかの戦略を考えて、しかも運に恵まれないと、成功するのはおぼつかないということか。

以前、私は、仕事でお付き合いのある弁護士や司法書士の方と雑談を行った際に、これからの士業の行く末などについて話をしてみたことがある。いずれも「これからの業界は人口減少で市場のパイは縮小していく。顧客争いやダンピングによって勝ち組と負け組の二極化が進む一方、新規参入者はますます不利になっていく」というものであった。両氏いわく、「これまで時間(若さ)とお金と労力を犠牲にして難易度の高い資格に取り組むのは将来に大きなリターンがあると見込めたからこそ。しかし、時代は激変した。今やその行為には一生を棒にふるリスキーな側面が存在している。」というものであった。なんとも身もフタもない意見だが、それだけ彼らも業界の先行きに危機意識を持っているというあらわれだろうか。

3.まとめ
私もそれなりに長いこと法務ビジネスパーソンとして経験を積んできており、これまで社内外に様々なタイプの人間と会う機会に恵まれた。やはり「できる人」は、資格のあるなしを問わず、指導力・交渉力・人間力などでそれ相応の実力を備えている。逆に、それなりに難易度の高い資格を有していても「仕事ができない人」にも遭遇したこともあり、「資格の有無と当人の実力は全くの別物」ということをしみじみと実感している。

従って、本書のように、まず「資格=一生安泰」という考えは捨て去った上で、これからのビジネスパーソンは、まず、資格の有無を問わず、自分なりのビジョンを持って、専門分野やビジネスに関するスキルを向上させる努力を継続する。さらに、社内外に人的ネットワークを構築しつつ、現在の環境下で良質の成果を発揮することに努めることが大事だと考えるが、いかがだろうか。



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2013年09月05日

【資格】食えない士業のリアルとは/今の時代、資格を取得すれば人生安泰というわけではありません

1.新人司法書士のリアル
先日、たまたまコンビニで買い物をしたついでに、雑誌をパラパラとめくっていると、「週刊SPA!」で以下のような記事を発見した。

司法書士、30歳を過ぎても年収200万円台はザラ

私も司法書士事務所に勤務経験があるので、思わず見入ってしまったが、その要点は以下のとおり。

・資格を取得したばかりの新人司法書士が司法書士事務所に勤めた場合、前職のキャリアを問わず「新人」とみなされるため、決して高待遇ではない。例えば、前職より年収が下がるケースもある。
・それがイヤならば、独立開業するしかないのだが、昨今の経済環境の中ではリスクも大きく、それもままならない。
・生活苦や予備校の歌い文句に反する実態に失望してこの業界から足を洗う司法書士もいる。

現役受験生がこの記事を読めば、やる気を失くしてしまいそうだが、目を背けてはいけない。厳しいがこれが「現実」なのだ…。なお、この記事は決して誇張ではなく、生活総合情報サイトAll Aboutでは、受験予備校の現役講師が勤務司法書士の年収について以下のとおり言及している。

勤務司法書士の年収・月収 [司法書士試験] All About

そういえば、かつて私が勤務していた事務所にも試験に合格したばかりの人が何人か有資格者として入所してきたが、月給は20〜25万円だったようだ(しかも、社会保険なし)。ただ、ボーナスは一応支給されていたので、年収ベースで考えると、おおよそ280〜350万円ぐらいだろう。事務所には、元銀行勤務経験者もいたが、この人物の年収は前職に比べて大幅ダウンしていたのは間違いない(その人物は1年ほど経験を積んでから、独立していった)。

また、本記事では、他にも本業よりアルバイトで稼ぐ土地家屋調査士や仕事を求めて過疎地を漂流する弁護士などが紹介されており、「先生」と呼ばれるはずの士業の悲惨な実態が紹介されている。こういった資格は世間的には合格率は数%の難関資格とされており、合格のためのかなりの時間とお金を費やしたのに、結果が「これ」では本末転倒のような気がするのだが…。

この手の記事を目にすると、私がいつも思い出すのが元同僚のMさんである(本ブログでも何回か触れている)。Mさんは、放射線技師という仕事をしながら、司法書士試験にたった1回で合格し、事務所に入所してきた。しかし、待遇が満足できるものではなかったのか、わずか半年ほどで退職してしまった。日本司法書士連合会の会員検索で名前を探しても見つからないので、私はMさんはおそらくこの業界からは完全に足を洗って、元の業界に戻ったのだろうと推測している。まさしく上記記事でも紹介されている「1年もたたずに出戻り」というケースである。

司法書士検索・司法書士法人検索

2.予備校のホンネとタテマエ
司法書士の受験予備校のHPには、自社の受験講座を訪問者にアピールするべく「合格者の声」「合格体験記」などと銘打ったコーナーを設けているが、上記記事のように年収面の現状などの資格のネガティブな側面については全く触れていない。その理由はいたって簡単で、その資格の「悪い面」を知らせてしまうと、受講生が集まらないからだ。(かつて、予備校の宣伝文句で、「年収1,000万円以上を目指せます!」等の宣伝文句をよく見かけたものだが、現在は景品表示法を意識しているのかそのような誇大広告は見かけない)

司法書士について|司法書士|司法書士試験|LEC東京リーガルマインド
司法書士試験の辰已法律研究所
Wセミナー/司法書士
司法書士試験|伊藤塾

昔は「2ちゃんねる」などの掲示板サイトというものが存在しなかったため、ユーザはこういった受験予備校が発信する「良い情報」しか触れる機会がないため、つい信じ込まされるケースが多かった。しかし、現在はインターネットの発達で業界関係者のリアルな情報が比較的容易に入手できるようになったので、これからこのような資格に取り組もうという方は、受験予備校の発信する情報のみを信じるのではなく、きちんと裏づけをとることをお勧めしたい。なぜなら、難関資格の勉強に取り組むということは、かなりの時間と労力をつぎ込むことになるからだ。

これは、何も資格勉強だけに限らず、マンションや車などを購入する際のB to C取引の全てにあてはまるだろう。彼らも営利事業者なので、ユーザに対して都合の悪い情報は伏せて、良い面のみをアピールして、なんとか自社の商品やサービスを買わせようとする。私自身も以下のとおりそのような場面に遭遇したことがある。

【仕事術】「事実」を正しく把握することの重要性/仕事であれ、プライベートであれ、これは大切かと。: 企業法務担当者のビジネスキャリア術
【プライベート】引越しを行う際の7つの留意点/これから引越しシーズンを迎えるにあたって: 企業法務担当者のビジネスキャリア術

3.まとめ
元同僚のMさんは、放射線技師というレアな資格を有していたため、すんなりと元の業界に戻れたが、昨今の不況の中では、普通のビジネスパーソンにとって、それはそう簡単なことではない。苦労して資格を取得してその業界に飛び込んだにもかかわらず、予備校が宣伝していた「バラ色の未来」と違うことに気づいて愕然とする…。そういった「ミスマッチリスク」があることを忘れてはならない。それを回避するためには、良い面や悪い面を含めて、その資格の「リアル」についてしっかりと情報収集した上、今後のキャリアプランをしっかりと練ることが必要だ。その上で覚悟を決めて勉強に取り組んでいくしかないと思う。

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2013年06月06日

【資格】大阪学院大学が2014年度から法科大学院の募集停止/←ココ昔受験したことがあります

先日のニュースで大阪学院大学が2014年度から法科大学院の募集を停止する旨が報道された。

大阪学院大、法科大学院の募集停止へ 全国で7例目 - MSN産経ニュース
「大阪学院大学法科大学院の学生募集停止について」

近年、同大学院では新司法試験の合格率が低迷しており、入学者も激減しているため、廃校は時間の問題と思っていたが…。さて、本ブログでも触れているが、私は法科大学院制度がスタートした2004年にこの大学院を受験したことがある。



当時の私は別職種として働いていたが、収入を失いたくなかったので、「関西で唯一の社会人向けの夜間法科大学院」が売り文句である同大学院に受験したが、結果はあえなく不合格。当時は、ロースクールバブルの影響で、初年度の受験倍率は7倍前後だったと思う。ところが、2013年度の入学者は定員30名に対してたった2名との事。なんとも非常にお寒い状況である。当時の熱気がまるでウソのようだ。

私は、同大学院を受験したのは2004年2月頃で、試験内容は@民事系の論文試験(2時間ぐらい?)とA面接官2名に対するグループ面接(20分ぐらい)の二部制だった。上記のとおり不合格だったので、「さて、もう一回チャレンジしようか」と考えていたところ、プライベートで結婚が決まり、その時期に転職活動を行った結果、運よく企業の法務部門に転身することができた。そして、現在に至る。

まあ、この大学院は世間的には「下位」のポジションなので、募集停止してもそれほど世間の注目は浴びることはないと思うが、ほんの一瞬とはいえ、自分が人生をかけようとしていた舞台があえなく消滅するのは、やはりさみしい気がする。

今でもふと「あの時合格していたら、今頃自分はどうしていただろうか」と思う時がある。たぶん企業法務の道に足を踏み入れることはなかっただろうし、このブログを始めることもなかっただろうし、全く違う人生を送っていたことだろう。人生何があるか本当にわからないと思う。

ロースクールへ行く前に ― 司法試験合格後のキャリア不合格後のキャリアロースクールへ行く前に ― 司法試験合格後のキャリア不合格後のキャリア
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2013年05月16日

【資格】行政書士に関する身の回りのエピソードのご紹介/「カバチ」新シリーズがいつの間にかスタートしていました

私は買い物などの用事でコンビニに行くと、週刊漫画を立ち読みすることが多いが、「週刊モーニング」もそのうちの一つ。

私が良く読むのが行政書士を主人公とした「カバチタレ!」であることは以前も触れたとおり。(その後第2シリーズが始まり、「特上カバチ!!〜カバチタレ!2〜」にタイトル名が変更)

【書評】「カバチタレ!」田島隆/東風考広(講談社): 企業法務担当者のビジネスキャリア術

この「特上カバチ!!〜カバチタレ!2〜」だが、いつの間にかいったん連載が終了してから、第3シリーズとなる「カバチ!!!」の連載が開始されていたので、少々驚いた。

モーニング公式サイト - 『特上カバチ!! ―カバチタレ!2―』作品情報

これまでの主人公の立ち位置は、行政書士事務所に勤務する真面目な下っ端行政書士であり、先輩や同僚にいじられながらも自らの信念のために仕事に邁進するという役どころだったのだが、いつの間にやら先代ボスの後を継いで、行政書士事務所の経営者というポジションに出世している。とはいうものの、立場上部下となった元先輩や同僚などにも軽くみられるという可哀そうな役回りは相変わらずで、今後の展開が楽しみである(?)。

さて、そこで今回は、行政書士に関する身の回りのエピソードについてご紹介したい。

@地元の廃業した行政書士事務所
2〜3年前に私の自宅の近所に行政書士事務所が開設されたのだが、半年〜10ケ月ほどで倒産してしまった。おそらく継続的な顧客を抱えることができなかっただろうが、やはり独立開業というのはなかなか難しいと感じさせられる。行政書士に限らず、士業というものはクライアントをがっちりつかんでこそ成り立つのだろうが、そのハードルは高いということか…。その後は、しばらく空き店舗だったが、現在は美容院になっている。こちらの話題については、以前にも触れたとおり。

【資格】士業の独立開業に関する一考察/独立開業に際してクリアすべき課題とは: 企業法務担当者のビジネスキャリア術

A行政書士からサラリーマンに転進した元同僚
私は、かつて勤務先には元行政書士という同僚が在籍していた。その人物は、私と同じ時期に入社しており、同世代であったので、ちょくちょく昼食などを一緒に食べていた仲でもあった。彼は大学卒業後に某大学の大学職員として勤めていたが、在職中に行政書士の資格を取得して独立したのだという。しかし、食べていくのが難しくなったので、サラリーマンに転職したのだとか。私がその勤務先を退職してからは交流はなくなったのだが、風の噂によると、彼はその後関西地方の某法科大学院に入学したものの、その後の消息は不明である。

B企業法務担当者と行政書士
これは、私が前職の法務部門に在籍していた頃の話である。当時の上司が一時期ことあるごとに私に対して「行政書士の資格を勉強したらどうだ?」と話をふってきたことがあった。私としても自分の仕事にプラスになる資格ならば、勉強することはやぶさかではないが、企業に所属する企業法務担当者が行政書士の資格を保有していてもそれほど有益になるとは思えなかったので、「そうですねえ」とあいまいな返事に終始していた。もちろん、別途資格手当が支給されるような会社であれば、それがインセンティブになって勉強に取り組んでいたかもしれないが…。

このようにどちらかというとネガティブなエピソードしか思いつかないの恐縮だが、身の回りにおける行政書士に関するエピソードを書き連ねてみた。ちなみに、インターネットで調べてみると行政書士の資格では簡単には食べていくことができないという声があることは確か(今の世の中では弁護士も司法書士も同様だが)。

行政書士が食えない理由 - Yahoo!知恵袋
行政書士のホントの年収

もっとも、当人の努力や人脈作りの工夫などによって、それこそ「カバチタレ!」のように独立した事務所を軌道に乗せて成功している少数の人も存在するのだろうが、もちろんこの資格を取得したからといって成功が約束されているわけでもない。当たり前だが、資格というものは取得することがゴールではなく、あくまでスタートであって、これをどのように生かすかが大変なところだ。

そういえば、私もかつて転職活動をしていた際には、それなりの法律系資格を取得したことがあるが、今振り返ってみると、さほど役にたっているという実感はない。

【転職】転職活動に際しての資格の有用性は?: 企業法務担当者のビジネスキャリア術

というわけで、独立開業を目指すならばともかく、企業に所属するビジネスパーソンならば、むしろ自分が携わる実務やキャリアに直結した知識を習得して、日々の仕事に生かしていく姿勢が大事なのかな、と考える今日この頃である。

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posted by Sabosan at 05:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 資格 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする